ふくろう絵本屋

福井美佳です。私の活動を紹介します。

アクリルガッシュ「砧公園 3 - 点描のエチュード」

CMY+W4色で点描しました。

「砧公園 3 - 点描のエチュード」 カラーイラストボード(グレー)、アクリルガッシュ、210×297mm(着彩部分)

4色のみ直径1mm程度の点描という課題で、グレーのイラストボードに描きました。元々、昨年春に水彩で途中まで描いた絵があったので、イラストボードに輪郭だけ鉛筆で写して新しく描きました。プリンタの印刷に似ていますが、プリンタは白(W)の代わりに黒(K)のインクを使って、紙の白をいかして印刷するところが違います。点を打っているうちに、楽しくなってきました。人間プリンタ、点描ハイ。おすすめです。

以下、点描について簡単に説明します。

混色のやり方として、1.絵具を混ぜて塗る、2.紙の上で絵具を混ぜる(ぬれたまま滲ませる、乾かして上から重ねるなど)、3.見た人の頭の中で混ざる、といった方法があるかと思いますが、点描は3です。印象派のスーラなどの絵で有名ですね。紙の上に青と黄色の点を隣り合って描き、見る人に緑色だなと認識させる、視覚混合技法です。絵具が物理的に混ざっていないので、濁りの少ない彩度の高い状態で色情報を人に届けられるところがいいのかなと思います。

描いてみて気がついたことを書いておきます。ご参考まで。

・アクリルガッシュは、間違っても上から修正することができるので、気楽に始められます。

・最初は、輪郭線のあたりに軽く点を打つことから始めるといいでしょう。

・色の再現度にこだわるよりも、明暗の再現度を優先した方が仕上がりが綺麗です。

・筆選びが重要です。細すぎず弾力のあるものがいいでしょう。こまめに洗って、水を含ませすぎないように布などでちょっと拭いてから絵具をつけます。絵具も水で薄めませんでした。

・点をランダムに打つ、規則的に打つ、地色のグレーを生かす、点の大きさを変えるなど、思った以上に表現力があります。

・絵具の彩度が高いと暗くて鈍い色の表現は難しいので、その場合は黒(K)も使えば良いかと思います。

私が使ったのは、以下の4色です。スーラなどの点描の絵を見ると、それ以外の色も使っていますし、何色を使っても良いかと思います。

絵を描く前に、簡単に、CMYWの配分を変えて色見本を作ってみました。遠くから見ると、まあ緑やオレンジに見えたりもするかな?あまり規則的なパターンで点を打つと模様みたいに見えてしまいます。自然な題材を描く場合は、ランダムに点を打つ方がよさそうな気がしました。地色のグレーの色味の影響を受けるので、実際に使う紙と同じグレーの紙を使って色見本を作るべきだったなと思っています。