ふくろう絵本屋

福井美佳です。私の活動を紹介します。

装丁「Mika II 2016->2015」角背ハードカバー製本・クロス装 A5判

表紙と本文を貼り合わせて、ようやく出来上がりました。表紙と本文の貼り合わせ方を紹介します。

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装丁「Mika II  2016->2015」角背ハードカバー製本・クロス装 A5判

過去2回、作り方を紹介してまいりましたが、昨夜一晩、重しをして無事完成いたしました。お騒がせいたしました。緑の布クロスと、クライスターパピアの組み合わせはよかったように思います。クロスの色は、模様に含まれている色から一色をとってあわせるといいそうです。洋服と同じですね。

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手に取ってみると、ちょっといい感じです。本文の紙は、okマシュマロを使って、学校のレーザープリンタで印刷しました。中身はともかく、去年作った作品集「Mika I」よりは、洗練された印象になりました。

最終日は、1.クータを貼り、2.表紙と本文を貼り合わせました。以前紹介したクータは、ちゃんと貼られてなかったように思います。製本の授業は3年目ですが、まだまだ、学ぶことがあります。

1.クータを貼ります

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クータは、幅は(本文の厚さ+8mm)x3、本文の高さ-6mmのクロッキー用紙で作ります。幅を三等分に折って、製本用の糊を1面に塗って貼りあわせ、細長い筒(クータ)を作ります。寒冷紗の上から背表紙をくるむようにクータを貼ります。へらで角をつけ、しっかり押さえます。クータが定着するまで、プレスします。

2.表紙と本文を貼り合わせます

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表紙の内側の背と溝部分と、本文のクータに製本用の糊をつけて、位置をあわせて貼ります。本文が表紙のまん中にくるように上下の隙間の長さをあわせます。溝部分を麻ひもで結びます。アイロンで溝をなぞって圧着します。見返しに製本用の糊を塗って、表紙と貼付けて一晩、プレスします。

製本作業全体の説明は、過去2回の記事も参考にしてください。

製本手順(糸かがり綴じ) - ふくろう絵本屋見習い

製本手順(角背ハードカバー製本:継ぎ表紙) - ふくろう絵本屋見習い

今回の製本ですが、先生には、痛恨のミスを指摘されました。背表紙の厚みが中身(本文)に対して厚すぎたのです。本文の厚み+4mm=背表紙の厚みのはずが、+6mmになってました。写真でも、背表紙がでっぱりすぎているのがわかるかなと思います。なんで2mmも厚くなっちゃったの!?という感じですが、実はよくあることなのです。中身の厚みをはかる時に0.5mmぐらい多めにみてしまい、背表紙をカッターで切る時に1-2mm広めに切ってしまったのだと思います。さらによくみると、表紙2枚の幅も違っていました。カッターも問題ですが、切ったあとに計測して調整しなかったのが大問題です。深く反省いたしました。

製本は、まだ慣れません。今日、おとちゃんの絵本を一冊買っていただいたのですが、さっそく、表紙と本文がぱっかりとれてしまい、あわてて補修しました。本文に見返しを貼る時に、のりしろを8mmぐらいとってちゃんとプレスすることと、表紙の溝付けにアイロンを使うのがよいようです。他のおとちゃんたちも、今頃、壊れているんじゃないかと心配になってきました。

装丁「アルファベットカードブック」三度目の正直

本型のカード入れを、先生の指導により、再度作り直しました。1.背表紙の高さ、2.紐の取り付け方、3.箱の内側の紙の貼り方、の3点を変えました。何度もすみませんが、変更点を書いておきます。また、赤い布クロスと牛皮の紐に変えたら、より華やかになりました。

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1.背表紙の高さを増やしました

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前回、背表紙と箱の高さを同じ20mmにしましたが、余裕がなさすぎるとの指摘を受け、背表紙を23mmに増やしました。今回の芯用黄ボール紙の寸法は、表紙は111 x 164mm、背表紙は23 x 164mm、箱の底面は105 x 152mm、箱の側面(長辺)は20 x 156mmです。この写真ではわからないかもしれませんが、箱とフタの間に、少し隙間ができて、開閉しやすくなりました。

2.紐の取り付け溝をつけました

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牛革の紐の形状にあわせて、紐の取り付け位置に、3mm幅の溝を彫りました。

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紐自体も、少し削って、黄ボールの溝にあわせました。木工ボンドでとめました。

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薄い和紙を四角く切って、紐がとれないように、上から製本用糊で貼りました。

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段差埋め用の紙を、黄ボールむきだしの部分に、紐の上から貼りました。

3.表紙と箱の内紙を別に貼りました

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まず、表紙の内側の紙(黒いレザック)を製本用糊で貼ります。溝部分にへらで筋をつけます。

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次に、箱の内側にも黒いレザックを貼ります。手前側は、箱の底をくるむように、製本用糊で貼ります。

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箱の底の、黄ボールむき出しの部分にも、段差埋め用の紙を貼ります。

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箱の底にボンドをつけて、表紙に貼り合わせます。箱をはりあわせる前に、表紙を閉めて、背表紙の内側と箱の内側がぴったりあうように調整して、貼り合わせ位置を決めます。レザック一枚で、おもて表紙の内側から箱の内側まで貼ると、どうしても、折り目部分がはがれて浮いてきてしまうようですが、別々に貼ると浮きにくいそうです。

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紐部分も浮かずに、きれいに貼れました。一晩重しをして、箱と表紙を圧着します。

今回のマイナーチェンジで、少し丈夫になったように思います。前回、前々回の記事も参考にしてください。

製本手順(本型のカード入れ) - ふくろう絵本屋見習い

装丁「アルファベットカードブック」作り直しました - ふくろう絵本屋見習い

ところで、下校途中で、新宿と銀座の画廊をはしごしました。ギャラリー絵夢さんの「関重一郎パステル画展」(今日まで)と、柴田悦子画廊さんの「清田悠紀子展」(明日まで)です。どちらも、紙やキャンバスの地肌や地色が見えるように部分的に着彩しているのですが、形がシャープで明暗もしっかりついていて、薄くて弱いという印象はまったく感じません。抜け感も好きですが、なんといっても、デッサンが大切だなと改めて実感しました。精進します。

製本手順(角背ハードカバー製本:継ぎ表紙)

角背ハードカバー製本の表紙を、2種類の素材でくるむ方法を紹介します。

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先週の授業の続きで、表紙に、布クロスと紙(クライスターパピア)を貼る方法を教えていただきました。写真の緑が布クロス、模様のところがクライスターパピアで作った紙です。継ぎ目をきれいにするために、薄く溝をつけるのがポイントです。

1.表紙の芯ボールに溝をつけます

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布クロスと紙は、5mmの幅で重ねるように貼り合わせます。重なる部分に厚みがでないように、芯になる黄ボールの重なる部分に、幅5mm、深さ0.3mmで薄い溝をつけておきます。表紙と裏表紙、それぞれに二本ずつ、溝を入れました。

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写真のような感じで、カッターで薄く筋をつけてから、表面の紙を0.3mmはぎます。

2.布クロスを貼ります

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背表紙とおもて表紙と裏表紙をつなげるように、布クロスを貼ります。0.3mmの溝部分は、布の厚みによる凸がなくなり、黄ボールとの段差が感じられません。布クロスの厚みにあわせて、溝の深さを調整した方がよいそうです。

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両側にも布クロスを貼ります。

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裏は、上下をそれぞれ糊ではってから、左右をはります。角は、へらでしっかりあとをつけます。角をおさえて、すこし丸みを出すとよいそうです。

3.紙を貼ります

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今回使ったクライスターパピアです。以前、紹介した魚の消しゴムはんこをNTラシャ紙におして作りました。定着用のスプレーをかけました。

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両端が5mmずつ布クロスに重なるように貼ります。溝のおかげで、紙の端が浮きません。

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裏に高さ合わせの紙を貼ります。背表紙の裏には、さらに、高さをあわせるため、布クロスを貼りました。

今日の作業はここまででした。明日、中身を合わせて仕上げます。貼ってみたら、はんこのずれが目立ちます。もっと縦横正確におせばよかったですね。

武蔵野美術学園ギャラリーで展示します

今日から12/1まで、学園内のギャラリーで展示させていただきます。

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イラストレーションと絵本コースの1-3年生合同で、2学期の創作を中心に展示しました。

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2年生の創作人形など、見応えのある作品が並んでおります。お近くにお寄りの際は、3号館1階のギャラリーをのぞいてくださるとうれしく思います。

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私は、アルファベットカードブックと、カードの原画2枚、もんきちくん絵本の原画2枚(初公開)、油ぼかしと銅版画を展示しました。

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アルファベットカードブックは、なんとかぼろが出ない程度の仕上がりにもっていけてよかったです、、、!

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上の写真の右の二枚が、初公開の原画です。まだまだ描き込みが足りない気がします。木曜午後の公開講評が恐ろしいです。仕上げまでに手を入れなくては!絵本が仕上がったら、また朗読をつけてもらって公開しようと思ってます。

前回の展示は、9月はじめの学園祭でした。本当に、月日がたつのははやいですね。あっという間に来週から冬休みです。次の展示は、2月の修了制作展です!「やばい」という言葉は、こういうときのためにあるんですね。とにかく、毎日、絵を描くしか手がありません。がんばります。でも、今日は寝ます。。。絵描きのみなさんは、徹夜をしないで、どうやって絵をしあげているのでしょう?加速装置が必要です。

装丁「アルファベットカードブック」作り直しました

本型のカード入れの色違いを作りました。新しく作った紺色の表紙の方にアルファベットカードを入れて、「アルファベットカードブック」として、明日からの学内展示に出そうと思ってます。展示の様子は、写真を撮ってきて紹介しますね。

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写真ではわかりにくいかもしれませんが、表紙が紺色の方は、側面の紙を黒地のクライスターパピアにしました。最初に作った表紙が黒い方は、側面が紺地のクライスターパピアです。

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中身のカードは、インクジェット専用紙のiフォトSかきたを、148 x 100mmに切って自宅で印刷しました。しっとりして手触りがよく、印刷もとてもきれいです。

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最初に作った黒い方は、背表紙と中箱の高さが5mmも違って、がたついていたのですが、同じ20mmにしてみたら、ぴたっとあいました。あたりまえですね。なんとか展示できそうなレベルになってよかったです。最大の問題は、中身が8文字しかないことですが、、。一晩重しをしておいてみます。火曜日に先生にみていただいて、問題あれば、また作り直そうと思ってます。

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芯ボールの寸法は、表紙は110 x 162mm、背表紙は20 x 162mm、箱の底面は105 x 152mm、箱の側面(長辺)は20 x 156mmです。

パステル色鉛筆「おとちゃんとクリスマスツリー」

大きなクリスマスツリーにあこがれます。

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「おとちゃんとクリスマスツリー」キャンソンミタント、パステル色鉛筆、227x158mm

おとちゃんにクリスマスツリーの飾り付けをお願いしてみました。いつものように、ポンも参加していますね。うちのもやってもらおうかしら。昨日の夜から、結構時間をかけて描いたのですが、おとちゃんは鼻と唇が違う気がする??大人っぽくなっちゃいました。また描き直すかもしれません。このあいだは美少女だったのに、本当に顔は難しいです。

来週は、月曜日から学内で展示があるので、今週は、授業以外に駆け込みで絵を描いたり箱を作ったりハンコを作ったりしていました。おとちゃんの絵は、展示とは関係なく、つい、描きたくなっちゃうんですよね。やりたいことが多すぎて困っちゃいます。これを乗り切れば、冬休み。あとひとがんばりです。

 今日は、六本木ヒルズ森美術館の「宇宙と芸術展」をみてきました。曼荼羅は、一度描いてみたいですね。レオナルド・ダ・ヴィンチガリレオ・ガリレイの書いたノートなども展示されていました。空のぽちぽちとした光をみて、星や宇宙の存在に気がついた人は、本当にすごいと、改めて思いました。私なら一生気がつきません。屋根の上に座って、ぼんやり、空を見ているのが好きでしたが、観察したり記録したりしようとはしませんでした。膨大な数の人が、観察して、記録して、考えて、その積み重ねで、遠いところまで到達できるんですよね。

チョークアート「もんきちのクリスマス」

うちのリビングに飾ってます。

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「もんきちのクリスマス」ベニヤ板、アクリル絵具/オイルパステル、106 x 169mm

去年描いた絵です。ひさしぶりにリビングに登場しました。マレットのようなチェリーがのったケーキを作って、うれしい気持ちのもんきちくんです。画材を変えて、いろいろなもんきちくんを描いてますが、こんなにこにこの表情はめずらしいですね。持ち寄りパーティがあるのかな。楽しいパーティになるといいなと願ってます。ちなみに、私はここ数年、ローストビーフ担当です。まだ出来にむらがあって自分のものにはなっていません。今年はどうなるでしょう。

さて、これで描きためていたカードはだいたいお披露目しちゃいました。明日からのブログもどうしましょう。。。なんとかなるさ。

製本手順(本型のカード入れ)

本の形をしたカード入れの作り方を紹介します。アルファベットの絵をカードに印刷して、中にいれようかと思ってます。カードは、まだ8文字分しかできてませんけど。

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学校の先生が作られたカード入れを真似して作りました。「美篶堂とつくる美しい手製本」(美篶堂編)という本の、夫婦箱の作り方も参考にさせていただきました。

1.芯のボール紙を切ります

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2mm厚の黄ボールから、表紙部分3枚と、箱部分4枚を切り出します。表紙部分のまん中に、本のタイトル紙を貼るための1mmの凹みを作ります。カッターで、凹みの周囲を切って、中の紙を慎重にはぎます。カッターを深くいれすぎて、穴をあけてしまわないように注意します。

注意)この写真では、箱の高さ20mm、表紙の背の厚み25mmにしましたが、同じ長さでよいようです。表紙がおおきすぎてがぽがぽするので、作り直そうと思ってます。作り直したら、正確なサイズを公開しますね。

2.箱を組み立てます

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箱の底面の短辺の断面に製本用の糊をつけて、箱の側面の紙を横からあてます。直角になるように板などでおさえて、マスキングテープで固定します。

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両短辺を糊でつけたら、長辺の側面の紙に2mmののりしろで、製本用の糊を塗ります。

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長辺の側面の紙を貼付けます。

3.箱の側面に紙(布)を貼ります

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側面には、はんこをつくって、水彩絵具と水をまぜたでんぷんのりでそめた、クライスターパピアの紙を貼ります。もとは、紺色のNTラシャでした。箱の内底と表紙の裏には、最後にレザックを貼ります。レザックだと、皮のような風合いになります。

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クライスターパピアの裏、左10mmと下10mmに、目印の線をひきます。線の内側に20mmの幅で糊をつけます。

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箱の短辺を線の上において、ずれないように、ぐるっと貼付けて行きます。

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紙の端に切り込みをいれて、糊をつけてくるみます。

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長辺の端にも切り込みを入れて、糊をつけて、短辺側の側面を内側に折り込んで、くるみます。折り目が浮かないようにおさえます。

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 短辺を両方とも内側に折り込んだら、長辺の内側にも糊をつけて、内側に折り込んでくるみます。へらで筋をつけて、内側の角をだします。

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箱の底の裏側の、長辺の両端にきれめをいれて、短辺から、糊をつけて折り込んで固定します。短辺を貼ったら、長辺を貼ります。箱の中に重しをいれて、プレスしておきます。

4.表紙を布クロスでくるみます

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布クロスの裏に、表紙と背表紙の芯ボールの位置をかいておきます。背表紙と表紙の間は5mmとしましたが、4mmの方がよいかもしれません。写真の左側がおもて表紙です。芯ボールの裏に糊をつけて、布クロスに貼ります。おもて表紙の凹部分は丁寧にへらでこすって、角をだして圧着します。

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布クロスの長辺に糊をつけて、芯ボールをつつみます。下、上とくるんでから、左右の短辺をくるみます。

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黄ボールがむき出しになっている部分に、ケント紙などを貼って、厚みを均一にします。

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紐をボンドでつけて、マスキングテープなどで固定しておきます。

5.表紙に箱を固定し、表紙の裏紙を貼ります

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箱の底に製本用の糊を塗ります。写真ではできていませんが、中央から周囲に向けて刷毛を使うそうです。

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表紙の裏側に、周囲の間隔が均等になるように箱をはりつけます。表紙を閉じた時に、背表紙の内側と箱の間に0.5mm以上すきまがあくように、位置を調整します。箱の内側に重しをいれて、プレスします。

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箱の内底と背表紙の裏とおもて表紙の裏に、黒いレザックを糊で貼ります。背表紙の左右のすきまに、へらで筋をつけます。箱の内側に重しをいれ、表紙を閉じて、上からさらに重しをして、一晩、プレスします。

6.表紙にタイトル紙を貼ります

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表紙用にはんこを作って、クラスターパピアで染めました。最初、普通にABCと彫って押したら、文字が反転してびっくり!そりゃそうですよね。消しゴム版画のアルアルでしょうか。気をとりなおして、反転文字を彫ってやりなおしました。

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製本用の糊をつけて、タイトルを表紙の凹部分に貼付けます。布をあてて、上からよくこすります。これで完成!あとは、中にいれるアルファベットカード26枚そろえれば、、、。

チョークアート「初雪のクリスマス」

冷えてきましたけど、雪は降るんでしょうか。

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「初雪のクリスマス」ベニヤ板、アクリル絵具/オイルパステル、169 x 106mm

この絵は、去年のクリスマスカード用に作りました。かっこよくする予定が、素朴な感じになりました。チョークアートに限らず、何を描いても、なぜかレトロになっちゃうんですよね。それが強みだよ、と友達にははげまされます ^^;; とはいえ、真面目なところ、もう少し現代テイストをいれられるようになりたいなと思ってます。ふと気がつきました!この絵は、何かちっちゃい動物か人間を描き加えるとよさそう。そうすればツリーの大きさがわかりますもんね。今年のカードのネタにします。

雪が降ると学校に行くのが大変そうですが、ちょっとうれしいです。絵本やクリスマスカードで雪景色を描きたかったので、ネタが探せそうです。何をしていても、絵のことばかり考えちゃいますね。

 

製本手順(糸かがり綴じ)

手製本で本文を綴じる方法「糸かがり綴じ」の手順を紹介します。文字通り、針に糸を通して、紙の束を縫い合わせるように綴じていきます。両面印刷が前提です。仕上がりは、写真のように、開いたページのまん中に綴じ糸が見えます。

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1.本文を印刷して、折丁を作ります

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本文24ページをinDesignなどでレイアウトして、見開きの紙に印刷します。今回は、この1年間で作った絵を30枚ほど載せた、作品集を作ることにします。1ページのサイズをA5として、見開きA4の用紙6枚に両面印刷します。写真のように、2枚(8ページ)ずつ二つ折りにして、3束に分けて綴じることにします。inDesignの場合のプリント設定は以下です。

(1) ファイル>ブックレットをプリント

(2) ブックレットの種類:見開き - 無線綴じ

(3) 折り本サイズ:8

紙は、丈夫で発色もきれいなOKマシュマロを使いました。カッターでA4の大きさに切って、学校のレーザープリンタで印刷しました。へらを使って慎重に二つ折りにしました。この、二つ折りにしたひとたばの紙のことを、折丁というそうです。

2.糸綴じ用の綴じ穴をあけます

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二つ折りした背の部分に、カッターで1.5mm程度の切れ目をつけます。この作業を、綴じ穴の目引きというそうです。切れ目を入れるのは、写真のピンク色の線で示した6カ所、すなわち、右(ページの上端)から10mmのところと、左(ページの下端)から13mmのところ、間の空間を三等分した2点の上下7mmずつ離れたところ4カ所です。大きな紙の場合は、間の空間を四等分して2点追加するなど、必要に応じて穴を増やしていくようです。一度で2枚とも穴があくように切れ目をいれてください。3束とも切れ目を6カ所ずついれます。

3.色見返しを貼ります

色見返し2枚を、それぞれ中表に折って、本文の最初と最後のページにはりつけます。色見返しの全面に糊をつけて貼るのではなく、折り目側に、のりしろ7-8mm程度の幅で細い帯状に糊をつけて貼ります。学校では、製本用の糊として先生が調合してくださった、でんぷん糊と木工用ボンドを半々にあわせたものを利用しています。折丁をそろえてプレスしておきます。

4.糸に蠟引きします

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30号の糸を、ページの高さx(折丁の数3+2)程度の長さで切って、蠟を2回ほどこすりつけます。

5.糸で綴じます

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台とクラフト針と綿テープを2本用意します。蠟引きした糸を、クラフト針に通します。針から糸が抜けないように、糸をたわませて針を通して固定します。

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台の裏側の手前に、綴じ穴の位置にあわせて、綿テープ2本をマスキングテープなどで固定します。

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台をおもて側に返して、1束目の折丁を、8ページ目が上にくるように台の上におきます。綴じ穴の位置と、綿テープの位置をあわせます。手前から右の綴じ穴に針をさし、紙二枚に糸を通します。次に、左となりの綴じ穴から手前に針を通します。綿テープの下に糸をくぐらせて、その左隣の綴じ穴に針を通します。左端まで6カ所の綴じ穴に糸を通していきます。糸の端を10センチほど残して、残りの糸を慎重に左に引きます。2枚の紙の間にすきまがなく、綿テープをくぐらせた糸がたわまない程度まで引きます。乱暴に糸をひっぱると紙がきれたり糸が切れたりするので、気をつけます。

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2束目の折丁を、16ページ目が上にくるように重ねます。平らな板かへらで、二つの折丁の4辺をとんとんとおさえて、ぴったり重なるようにします。上の束の左端の綴じ穴に、手前から針を通し、右となりの綴じ穴から手前に針を通し、右端まで、6カ所の綴じ穴に針を通します。綿テープの下をくぐらせるのを忘れないようにします。

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再度、とんとんと位置合わせをしたら、二つの折丁がぴたっとあうまで、慎重に糸をひいて、綴じはじめの糸と結びます。綿テープのたわみもとります。綿テープを引き抜くと復活させるのが大変だそうです。引き抜かないように気をつけます。

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3番目の折丁を色見返しが上にくるように重ねて、左端まで綴じます。再度、よく位置合わせをして、下の段のとじ目の糸に針を通して、糸を結びます。糸の端は1センチほどで切っておきます。4つ以上の折丁を重ねる場合は、折り返し地点で毎回、下の段のとじ目の糸に針をくぐらせてから、新しい折丁に針を通します。綿テープを台に固定していたマスキングテープをはずします。

5.背に糊を塗って平にします

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本の形をよく整えます。折り目のない側の紙に凸凹があったり、折丁が斜めにずれたりしないように、注意します。折り目の上に厚紙を載せて固定し、製本用の糊を筆で背に塗ります。背をへらでこすって平にします。へこんだところがあれば、さらに糊を塗ります。糊が頁の中に入らないように気をつけます。糸や綿テープがとび出ないように糊でおさえます。これを背固めといいます。

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色見返しの折り目もよくこすって、背中全体が同じ高さになるようにします。背幅がだいぶ細くなりました。

6.花ぎれ、寒冷紗をはります

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 背幅にあわせて花ぎれを二枚きり、糊で、背の上と下に貼ります。花ぎれの出っ張った部分が、1ミリほど背から出るようにします。花ぎれが浮いたりほつれたりしないようにしっかりとめます。寒冷紗を、幅は、背幅+30mm、高さは中身-6mmに切って、寒冷紗の紙側に製本用の糊をつけて、背中に貼ります。

今日の学校での作業はここまででした。つづきは来週です。とはいっても、あとの作業は、以前ご紹介した手順と同じはずです。背紙を貼って乾いたらやすりをかけ、クータを作ってはり、表紙を作って貼り合わせます。詳しくは、以下の記事をご覧ください。

絵本の製本手順(角背ハードカバー製本・クロス装) - ふくろう絵本屋見習い

今回も、色見返しがずれたり、折丁がずれたり、さんざんな出来でした。本文や見返しの紙を切った時に、大きさがあっていなかったんだと思います。先生に、失敗したと思ったら、次の行程まで持ち越さずに、その場で修正しなさいと怒られちゃいました。結局、最後に、ずれたところをカッターで切りました。