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ふくろう絵本屋

福井美佳です。私の作品と、絵本や音楽に関する四方山話を掲載します。

装丁「ALPHABET PARADE」折り本・クロス装 A5判

巻物の原画を印刷して、折り本を作ってみました。

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装丁「ALPHABET PARADE」折り本・クロス装 A5判

本文は、巻物の半分のサイズで印刷して表紙をつけました。折り本の方がコンパクトで、持ちやすく見やすそうです。作ってみると、いろいろ気になる点も出てきましたし、少し原画に手をいれてから、もう一度、印刷して製本してみようかと思います。以下、製本手順を紹介します。作り方は、「いちばんわかる手製本レッスン」((株)スタジオ タック クリエイティブ著)という本と、学校で受けた講義の内容を参考にしました。

1.本文を用意します

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巻物を2文字(A3横)ずつ写真に撮って、Photoshopで加工しA4横に縮小し、Illustlatorで一列に並べて文字をいれました。背景や人物の着彩が薄くて、白い紙の部分を白くできておりません。こうやって並べてみると、むらがあるのがよくわかりますね。原画は、3巻に分けて描きましたが、少なくとも、A-H、I-R、S-Zは明るさが連続しているはずなのです。二文字ずつ分けて写真に撮って、PC上でサイズや明るさを調整しようとしたのですが、うまくできませんでした。写真の撮り方は工夫の余地有りです。

このデータを、学校のEPSONの大型プリンタで画材用紙ロールに印刷しました。A-Zまで、縦 210mm x 横 3861mm(A4横13枚分)を一度に印刷したところ、半分で印刷が終わってしまいました。データが大きすぎて、一度に200mmぐらいしか印刷できないのかもしれません?仕方ないので、A-NとO-Zの二回に分けて印刷し、途中で糊で継ぎ合わせました。

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上下の余計な部分を切り落とし、折り目の筋をつけてから、山折、谷折と交互に折っていきます。折り目をあわせると仕上がりがきれいです。ページと同じサイズのA5の厚紙を用意し、厚紙にあわせて折り目をつけてから折りましたが、ちいさなずれが重なって、だんだんページの境界と折れ目がずれていってしまいました。次は、別の方法も組み合わせて折り方を工夫してみようと思います。

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最後に、本文の上下の部分を全ページがあうようにそろえるため、再度、カッターで切り落とします。これで、本文の完成です。

2.表紙を作ります

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2mm厚の黄ボール二枚と、布クロスを用意します。黄ボールのサイズは、本文の縦横の長さ+黄ボールの厚さの2倍としました。クロスは、あらかじめ裏打ちの紙が貼られた布を、Book Buddyさんと耕美堂さんからネットで購入しました。黒と、巻物で使った和風の柄布の2種類を使いました。2種類の布を途中で継ぐため、2つの布が重なって凸にならないように、黄ボールの切り替え部分に幅3mm、深さ0.3mmの溝をつけました。また、タイトルの紙を貼るため、おもて表紙側に100mm x 32mmで、深さ1mmの四角い溝(凹部分)をつくりました。

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裏からみたところです。二種類のクロスが3mmずつ重なるように置いて、上下左右は、黄ボールのサイズより15mmずつ大きくマージンをとって、クロスを切ります。

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黄ボールを表に返します。深さ0.3mmの溝の中と、溝の下から黄ボールの下端までの部分に、製本用の糊を筆でつけて、柄の布を溝の上端にあわせてはります。上から紙をあてて、丁寧にこすります。

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裏返します。布の両側の下端の左右を斜めに切り落とします。製本用の糊を布の下のマージン部分につけます。

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下に敷いたあて紙ごと、布を持ち上げて、紙の上からへらでこすって圧着させます。黄ボールの両下端は、角をまるめるようにへらでこすります。

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左右のマージンにも糊をつけて、あて紙ごと持ち上げて、へらでこすって圧着させます。

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表に返します。黄ボールの残りの部分に製本用の糊をつけます。すでに貼った柄布の上の部分(溝の部分)にも3mm幅で糊をつけます。黒いクロスを、柄布の糊を塗った3mmに重なるようにおき、上に紙をおいてこすって圧着させます。

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凹部分はていねいにへらで筋をつけます。

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裏に返して、上下を逆に(手前が上端にくるように)おきます。黒いクロスの両角をななめに切り、上のマージン部分に糊をつけて、 柄の布と同様、あて紙を使って持ち上げて、へらで圧着させます。

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左右のマージンにも糊をつけて、あて紙を使ってへらで圧着させます。

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黄ボールがむきだしになっている部分に、段差を埋めるための紙をはります。クロスと同じぐらいの厚みのある紙がよいようです。私はケント紙を使いました。

3.本文と表紙を貼り合わせます

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おもて表紙の裏側全体(貼ったケント紙の上)に、周囲2mmぐらいずつあけて、製本用の糊を塗ります。その上から、周囲を均等にあけるように、本文の表紙側を貼り合わせます。裏表紙の裏にも、同様に製本用の糊を塗って、本文の裏表紙側に貼り合わせます。その際、おもて表紙と裏表紙の位置がぴったりあうように、慎重に貼り合わせます。第1ページと、最終ページにカード紙をはさんで、一晩、プレスします。写真はプレスしたあとの状態です。

4.タイトルを貼ります

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クライスターパピアの技法を使って着彩したタイトルの紙を作ります。タイトル「ALPHABET PARADE」と描いた下書きを作ったら、左右逆の鏡文字になるように反転して印刷し、反転した下書きを消しゴムハンコにうつして彫ります。水彩絵具と水でといた正麩煮糊を混ぜてハンコにつけて、黒い紙(NTラシャ)に押し、溝の大きさにあわせて紙を切ります。クライスターパピアについては、以下の記事などを参考にしてください。

クライスターパピア「ケルト01」 - ふくろう絵本屋見習い

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タイトルを製本用糊で表紙に貼って、一晩プレスします。

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できあがりです。とりあえず、人に見せやすい形にできたのでよかったと思います。

巻物よりは、ちょっとかっこよくなりましたが、しぶくなっちゃいました。子供向きの装丁ではない気がします、、、。もうちょっと明るい色の装丁も考えてみようと思います。

その他、気になっている点をまとめてあげておきます。写真は撮り直した方がよさそうです。本文の折り目が揃っていません。また、おもて表紙と、裏表紙に直接ページを貼ったので、やや唐突な感じをうけます。扉と奥付をつけた方がよさそうです。完成版は、また後日、公開しますね。

長い記事におつきあいくださいましてありがとうございます。