ふくろう絵本屋

福井美佳です。私の活動を紹介します。

シルクスクリーン「サンゴのサンポ」

「抜け感」って大切だなと思ってます。ということで、昨年の初夏に作った版画の作品を紹介します。

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「サンゴのサンポ」ハーネミューレ、シルクスクリーン、364x257mm

課題のテーマは「生命(LIFE)」でした。このときは、80ぐらいアイディアスケッチを描きました。同級生と、生命ときいて思いつくキーワードを紙に書いて伏せて置き、ランダムに2枚づつ開いて、そのキーワードの組み合わせ(たとえば、「宇宙」+「声」など)からアイディアをふくらませて、絵を描いたりしました。このサンゴの絵は、通学中にふと思い浮かんだ81個目のアイディアです。

下絵を手描きして、スキャナで取り込んで、シルクスクリーンの版を作りました。3版(3色)の色の組み合わせをどうするか、PCでシミュレーションして決めました。シルクスクリーンで刷った仕上がりは、PCでシミュレーションしてプリンタで印刷したものとほぼ同じなのですが、微妙な版ずれや混色の見え方、質感が違います。シルクスクリーンの方が断然よいと思いました。

シルクスクリーンの絵作りのポイントは、紙色の白をどう活かすか、全体の形(図と地)、混色、輪郭をいれるかどうか、などだそうです。特に、白い空間の使い方はとても勉強になりました。描いた部分と描いていない部分の境目が目立って強い印象を感じられたり、画面が明るくなって息がつける気がします。それから、「抜け感」を意識して構図を考えるようになりました。