ふくろう絵本屋

福井美佳です。私の活動を紹介します。

シールステンシル+消しゴムハンコ「雪の結晶1」

絵本の読み聞かせの会で配りました。

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「雪の結晶1」ホワイトワトソン、シールステンシル/消しゴムハンコ/スタンプ用インク 148×100mm

先日、読み聞かせの会のお手伝いをしたときに、立ち寄ってくれたお子さんに1枚ずつさしあげました。消しゴムハンコなどの、事前準備は自宅でやっておき、最後のステンシル作業のみ、読み聞かせの後に、お子さん達にそれぞれ手伝って完成してもらいました。シールステンシルは、はじめてやりましたが、簡単で驚きがあって楽しいものでした。

以下、簡単に作り方を紹介します。

1.シール用紙を貼り、消しゴムハンコで捺印します

シール用紙を、雪型のパンチで抜いて、ホワイトワトソン紙に貼ります。シール用紙は、市販のステンシル用のシール用紙、または、コピー用紙を切り抜いて裏にはがせるスプレー糊をつけて使いました。ペンギンと雪の結晶の消しゴムハンコを作り、スタンプ用インクをつけて、ホワイトワトソン紙に押印します。別のコピー用紙に、ペンギンの消しゴムハンコで捺印し、ペンギンの形に切り取って、ホワイトワトソンのペンギンの上に貼ります。

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2.シールの上からインクをつけます

ローラーにスタンプインクをつけて、シールを貼ったホワイトワトソン紙の上で転がして、全体に着彩します。

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3.消しゴムハンコで捺印します

さらに、白いインクをつけて、雪の結晶の消しゴムハンコを押印します。(お子さんにやってもらったときは、時間がかかるので、この工程は省きました)

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4.シールをはがします

雪のシールをはがすと、下の白い部分が見えてきます。

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ペンギンのシールをはがすと、最初に押しておいたペンギンがあらわれます。完成です。

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インクがすぐにかわくので、手が汚れないのがうれしいです。

以下は、来てくださったお子さん(5歳ぐらい)が2,4の作業をやってくださったものです。ボール紙からホワイトワトソン紙をはがして、透明の袋に入れて渡しました。こっちの方がきれい!

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使い終わった消しゴムハンコとローラーは、スタンプインク用のクリーナーで洗います。 

今回は、お子さんにその場で作業してもらうため、速乾性で発色がよい市販のスタンプを使いましたが、水彩絵具やアクリル絵具などをインクとして使うこともできます。以下、手持ちの市販スタンプの色見本です。全部ツキネコさんの商品でした。

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今回、絵本にちなんで、雪の結晶とペンギンとおおかみと豚をモチーフに4案作りました。残りの3案は、順次掲載します。

 

年賀状「2020 REIWA2 Mice」

みなさまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

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「2020 REIWA2 Mices」 マーメイド、パステル/photoshop 257×182mm

年初の挨拶が遅くなってしまいました。みなさま、すでに、良いお年をお迎えになっていらっしゃることと存じます。

今年の年賀状は、茶色(ひはだ)のマーメイド紙にパステルで描いて、「HAPPY NEW YEAR!」の文字をphotoshopで追加しました。ねずみさんたちが「REIWA2」というアルファベットになって、ピアノを演奏しようとがんばっています。鍵盤の表面の肌触りがよさそうなところが気に入っています。私も小さくなって弾いてみたい。アルファベットの文字がわかりにくくてすみませぬ。パステルやパステル色鉛筆だと、細かいところを表現するのが難しいですね。肝心の「2020」の文字をもっと大きくすればよかったかな。などなど、いろいろ反省はありますが、今年も年賀状を作ることができて本当によかったです。一年間がんばって、良い年にしたいなと思います。

 

 

紙版画「雪の家」

今年は紙版画でクリスマスカードを作りました。

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「雪の家」NTラシャ、紙版画(ホワイトワトソン)/消しゴムハンコ/水彩絵具 148×100mm

紙版画は武蔵野美術学園の時の先生に教えていただきました。木版は木を掘って、消しゴムハンコは消しゴムを削って版を作りますが、紙版画は厚紙を切り分けて版として使います。素朴な雰囲気が魅力です。細かく版を分ければ緻密な表現も可能らしいのですが、位置合わせと明暗調整が難しいので、私は素朴狙いでいきます。家の赤い部分のみ、消しゴムハンコです。こちらは青いNTラシャに刷りました。

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こちらは、黒いNTラシャに刷ったものです。刷る紙の色や凹凸で、雰囲気が変わります。文字がつぶれて読みにくくなっちゃいました。

以下、簡単に紙版画の工程を説明します。

1.厚紙に下絵を描き、切り分けて版を作ります

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厚手のハガキサイズのホワイトワトソン紙を使って、紙版を作ります。原画を描いて、文字の部分のみ、カッターナイフで切り抜いたところです。

2.紙版パーツごとに裏に絵具を塗って、刷ります

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厚紙を全部切り抜いて紙版パーツを作ります。家は消しゴムハンコで作りました。写真は、紙版パーツを裏から見たところです。紙版画部分が15版(雪の部分(1)+空(1)+木(13))と消しゴムハンコ1版、全部で16版です。薄くて面積の広いパーツから裏に絵具を塗って、刷ります。

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まず、雪部分の紙版パーツを切り抜き、裏に水彩絵具を塗って、黒いNTラシャに載せて、上から擦って写しました。

今回は、不透明水彩絵具と透明水彩絵具を併用しました。紙版パーツの裏に絵具をつける際は、筆で塗ったり、紙パレットに絵具を拡げてインクパッド代わりに使いました。絵具の水加減、紙版や刷る紙の材質や表面の凹凸によって、仕上がりが変わります。この写真は、絵具が濃すぎてべったりついてしまった部分と、水を混ぜすぎてうまくのらなかったところがムラになってしまいました。

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こちらは、紺のNTラシャに、雪部分と空部分を刷ったところです。これぐらいの絵具の濃さがいいですね。

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木の部分の三角形の小さい紙版パーツを切り抜いて、薄い色から順に刷っていき、最後に家の壁を消しゴムハンコで押して完成です。まず、雪と空だけの2版で40枚ほど刷って、よく刷れたもの10枚を選んで、木の部分と家を刷りました。小さい紙版パーツで刷る時は、ピンセットを使うとよいと思います。

紙を切るので、紙版画の方が消しゴムハンコより版作りが楽でした。厚手の水彩紙は丈夫なので、何度も刷るときにおすすめです。一方、紙版画の方が、絵具の水加減は難しいと感じました。紙で細かいパーツを作って刷っても、うまく絵具が載らないと境界がくっきりしません。今回、一部の木の紙版パーツにカッターでギザギザをつけたのですが、刷り上がりをよく見ないと凹凸がわかりません。隣り合う場所の境界がわかるように、明暗差をつけるのが重要だと改めて思いました。消しゴムハンコの方が絵具が載りやすく、境界がぱきっとします。文字の部分が狭すぎると埋まっちゃうのは消しゴムも紙も同じですね。

封筒「冬の星座」

星座早見表が欲しくなりました。

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「冬の星座」 MD封筒コットン、コピックマルチライナー/色鉛筆 88×178mm

封筒に色鉛筆で描きました。夜空に星座が並んでいるように見えるでしょうか。天の川が煙にしか見えないのも気がかりです。歌詞に、オリオン座と昴と北斗七星が出てくるのですが、横幅がせまくて北斗七星は入れられませんでした。代わりに、おおいぬ座と小犬座を入れておきました。わんこ的には満足かと思います。もう少し大きな画面に描き直したいです。

小学校の歌唱クラブで、先輩がこれを歌っているのを聞いて、きれいな曲だな〜と感激したのを思い出します。曲の最初が、ファとシの音がないヨナ抜き音階なので、親しみやすいと感じたのかもしれません。アメリカのポピュラー曲に、日本で独自の歌詞をつけたんですね。

封筒「ペチカ」

雪の日も室内でぬくぬく過ごせればいいですね。

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「ペチカ」 MD封筒コットン、コピックマルチライナー/色鉛筆 88×178mm

封筒に色鉛筆で描きました。冬の歌を探していて、この歌を思い出しました。きれいな詩にぴったりのきれいなメロディですよね。窓の外の雪の降る夜と、室内のペチカを両方を入れる構図が難しいと感じました。この構図だと、窓ガラスに室内のものが映り込まないといけないのですが、どう描けばよいものやら?その辺をごまかすために、次は、もっと子供を大きくとらえる構図で描いてみようと思います。

封筒「はしるのだいすき」

動物の本能でしょうか。

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「はしるのだいすき」 MD封筒コットン、コピックマルチライナー/色鉛筆 88×178mm

封筒に色鉛筆で描きました。とにかく走る姿が難しくて、苦労しました。なんとか動いているように見えればいいのですが。身体のひねりとか、傾きとか、服のシワとかいれてみました。普通に描くと身体が地面に対して垂直になっちゃいます。もっとひねりや傾きをいれればよかったなと思います。

運動会をネタに絵を考えていたら、ふと、この歌を思い出しました。さわやかで素敵な歌です。作詞はまどみちおさんなんですね。あと、運動会ときいて思い出す曲は、クシコスポストオクラホマミキサーライディーン、などでしょうか。聖者の行進でマーチングもしました。小太鼓でした。いつか絵にしてみたいと思います。

パステル「夏の果実」

季節外れで申し訳ない。

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「夏の果実」 マーメイド、パステル/木炭、530×455mm

世界に楕円がなければ、静物画ももう少し楽に描ける気がします。F10号パステルブックの茶色(ひはだ)の紙に描きました。パステルは、白い紙より色紙の方が、ビビッドな色が出しやすいし、塗り残しもそれほど気にならないようです。着色は、ちょっと失敗しました。最初、明暗だけを気にして着色していたら、手持ちのパステルの明度の高い色が黄色に偏っていたためか、黄色っぽい絵になってしまいました。あわてて高明度の水色などを入手しましたが、黄色は消しきれませんでした〜。布の縞もピンクだったはずなんだけど。バランスよく着色するためには、各色ごとに明度の高中低のパステルを揃えると楽なようです。パステルを置く並び順も大切です。あとは、やはり進め方ですかね。一個ずつ着色すると、それぞれ使う色が偏ってくる気がします。絵を始めた時に、全体に少しずつ手を入れるとよい、と言われたのですが、なかなか難しいです。「色の響き合い」とか、空間とか、まだまだわからないことが満載です。

タイトルは、この静物を組んだ清田先生からいただきました。サザンオールスターズの曲みたいですよね。このパイナップルは、独特な葉の形から「しゃちほこパイナップル」と呼ばれてました。パイナップルは楕円だけの果物よりは描きやすい気がします。ほんと、楕円は苦手です。

封筒「まっかな秋」

アルトパートを歌っていました。

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「まっかな秋」 MD封筒コットン、コピックマルチライナー/色鉛筆 88×178mm

封筒に色鉛筆で描きました。夕焼けは難しい!落ち葉や山ももっと赤く描けばよかったかも。

秋の童謡の中でも、歌詞も曲もきれいなこの歌を題材に選びました。小学校の授業かクラブ活動の時間に歌っていた記憶があります。主旋律だけでなく、ハモりのパートもおもしろくて好きでした。

 

封筒「たぬきばやし」

月夜といえば、たぬきを描きたくなりました。

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「たぬきばやし」 MD封筒コットン、コピックマルチライナー/色鉛筆 88×178mm

封筒に色鉛筆で描きました。OPAの展示でたぬきを描いたのですが、お隣で、かわいいたぬきがたくさん出てくる切り絵を展示されていたので、私ももっとたくさん描きたくなってしまいました。歌詞を参考に、和尚さんの木魚に対抗して、たぬき達がおなかを叩きながら踊る構図にしました。いつもの女の子とわんこも一緒に踊っています。やはり、人間の色と形は難しいですね。2番の歌詞に萩が出てくるようなので、今度は、萩の花も描こうかな。

 

不透明水彩「もっきん もんきち〜たのしいもっきんだね」

最後はみんなで演奏しちゃいます。

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「もっきん もんきち〜たのしいもっきんだね」アルシュ、コピックマルチライナー/不透明水彩絵具、410 × 310mm

もんきちくん絵本の原画として描きました。これは最後のシーン。みんながわけてくれた材料で作った楽器を、みんなで演奏します。あまり時間をかけられませんでしたが、遠くの景色や葉っぱの力が抜けて、かえってよかったように思います。でも、近くではねているうさぎさんや地面や木の幹は、もう少し描き込みたいですね。

この絵は、OPA gallery主催のグループ展「物語りがうまれる一枚の絵vol.14」に展示しています。本日、午後在廊しておりました。暑い中、ご来場下さった皆様、ありがとうございます。2年前からもんきちくんを描き直したいと思っていたので、今回のOPAの展示はよい機会になりました。去年の秋から絵本を1500冊ほど読んで、今年は絵本の読み聞かせにも挑戦させていただいて、遅まきながらいろいろ考えて、ストーリーと絵柄を変えてみました。みなさんのご意見を聞かせてくださるとありがたいです。明日9/2(月)15-19時と9/4(水)11-14時も在廊します。ご来場お待ちしております。